旧制松本高校同窓会・旧制高等学校記念館が主催する最後の「サロンあがたの森」が、松本市のあがたの森文化会館(旧松本高等学校講堂ホール)で平成27年9月30日(火)に開催されました。
第一部では、「映像による松高の歴史回顧」と題して、同窓会長の根津武夫さんが貴重な映像をもとに旧制松高の歴史と松高生の青春を回顧し、第二部では、同会の住谷春也さん(松高・昭和25年卒)から「代表的松高寮歌の解説と鑑賞」と題して、「嗚呼青春」、「雲にうそぶく」、「松高小曲」など、10曲の寮歌の説明があり、会場に寮歌が流れ、当日の松高生の日常を懐かしみました。
第二部の後半では、信州大学の山沢清人学長が登壇し、入学式で旧制松高寮歌「春寂寥」を歌うこととした経緯や、旧制松高から信州大学に脈々と引き継がれている精神などについて説明がありました。
第三部では、渡辺匡一教授(信州大学人文学部)から「思誠寮寮生日記に見る松高生」と題した講演があり、寮生日記からひもといた松高生の自治の精神を重んじた寮生活や当時の学生の思想などについて説明がありました。
会場には、旧制松高の卒業生、一般市民の方々が多数来場され、松高生の青春の日々を振り返るとともに、旧制松高が松本市民に及ぼした文化的な影響などについて思いを馳せました。
同窓会長の根津武夫さんからは、「あがたの森文化会館で月1回開いてきた市民文化講座「サロンあがたの森」は、今回の第140回で終了する。ここまでよく続いたと思う。「松本市民への恩返し」のつもりだったが、地元の皆さんが支援、協力してくれたから長く続けられた。」とのお礼の言葉が述べられました。
「サロンあがたの森」は、市民有志により引き継がれる予定で、有志の代表を務める矢崎幹明氏(松本平タウン情報・代表取締役社長)から挨拶があり、また、寮歌祭を引き継ぐ信州大学同窓会連合会・信州大学を代表して、森淳氏(信州大学理学部同窓会長)から、来年から「旧制松高・信州大学寮歌祭」(仮称)として、旧制松高と信州大学による新たな形で開催するとの説明がありました。
信州大学は、旧制松高の寮歌「春寂寥(はるせきりょう)」を入学式で歌い継いでおり、本学の前身である旧制松高の歴史、文化も大切にしています。
信州大学校友会は、今後も旧制松本高校同窓会の方々と密接な連携を図り、旧制松高の歴史、文化を次世代に継承することについて、尽力してまいります。
あがたの森文化会館には、松高生や一般市民の方々が多数つめかけました
「映像による松高の歴史回顧」を説明する 松高寮歌を解説する住谷さん
旧制松本高校同窓会長の根津さん
旧制松本高校同窓会長の根津さん
入学式で「春寂寥」を歌うこととした経緯などを 「思誠寮寮生日記に見る松高生」と題した
笑顔で説明する山沢信州大学長 講演を行う渡辺教授
○参考:プログラム
サロンあがたの森「松高生の青春を振り返る」
話題提供
1、映像による松高の歴史回顧(同窓生による進行)
2、代表的松高寮歌の解説と鑑賞(同窓生による進行)
3、思誠寮寮生日記に見る松高生(信州大学教授の講和)
日時:9月29日(火)午後1時~
会場:あがたの森文化会館講堂
参加費:無料
大正8年に創設され昭和25年に閉校した、僅か31年の短い歴史の松本高等学校ですが、ここで学んだ5千人の青春を振り返る時、様々な発見があり示唆されるものがあります。あがたの森の重要文化財に宿っている内実を確認する貴重な試みです。どうぞお誘い合わせてお出かけ下さい。
「サロンあがたの森」は、在学中お世話になった松本の皆さんに、感謝の気持ちを込めて、同窓会が提唱して設けた文化講座ですが、今回をもって終了します。12年余の長い間、ご協力有難うございました。
なお市民有志により引き続き開催される予定です。是非、今までと同じくご支援、ご協力をお願いします。
お問い合わせ
旧制高等学校記念館
〒390-0812長野県松本市県3-1-1
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